ガーナ帝国、マリ帝国、ソンガイ王国、バンバラ王国などで育まれた文化と伝統は、現代のマリ社会にも引き継がれ、社会的儀礼の中に、誇り高い民族の歴史を見ることができます。ちなみに著名なモロッコの地理学者 Ibn Battuta(1352年)が旅行記に、次のようにマリ人とマリの社会を紹介しています。 ・この社会は不正、不当な行為を許さず、誰に対しても不正な行為は正される ・安心して旅のできる地である。客人のものを奪うという行為はどこにも存在しない ・信仰心の厚い社会である ・この国の人々はいつもおしゃれな服装を身につけている 上記の旅行記に記された美徳は今も変わりません。マリの社会は人間関係を重んじ、社会全体が道徳を守ろうとする意思をもっています。かといって保守的な社会ということはなく、例えば地域社会においても一般に想像されるような排他的な面は見当たらず、むしろ、誰でも受け入れてしまうような開放的な性格が特長です。信仰についても、自身の属する宗教への信仰心が非常に厚い一方、他の宗教や考え方も受け入れてしまう柔軟さで、イスラム教、自然宗派、キリスト教などが平和に共存することを可能にしています。 マリには23の多様な民族が存在しており、それぞれが独自の文化・言語・ルールを持っていますが、どの民族においても「目上の人を必ず尊敬する」という共通の文化を持っています。普段から当たり前のように、自分の親の年齢に近い人を親と同様に尊敬しなければならないし、必要とされれば可能な限り彼らを支援しなければなりません。このような他者に対する責任感は、広く深くマリの社会に浸透しています
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