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マリ人は踊りが大好きで、お祭りやお祝い事の時はもちろん、人々が集まって気分がのってくるとすぐに踊り出します。伝統行事として仮面を用いたダンスがありますが、日常生活においても家庭や町内でダンスパーティーが企画されたりします。
踊りに欠かせないのが歌や楽器ですが、これは誰にでも出来るものではなく、「グリオ」と呼ばれる世襲制の音楽家達によって演奏されます。マリでは、グリオでない人が歌うことは恥ずかしい事とされ、学校の教科にも音楽の授業はありません。
グリオについては、文字のなかった時代に彼らは音楽で歴史を語る語り部で、主人である一族の歴史を世襲制で代々語り継いできました。主人の家の祭り事には必ず呼ばれ、一族の祖先や主人を称える歌を歌い、その謝礼として金銭、時には家や車といった莫大な報酬をもらいます。

1960年にフランスから独立した後、植民地時代には否定されていた伝統音楽が、現代的な楽器によって演奏されポピュラー音楽となり、サリフ・ケイタ(彼は珍しくグリオ出身ではない音楽家です)をはじめ、ヨーロッパで大ヒットする音楽家も現れました。伝統音楽をアレンジした彼等の音楽は、のびやかな声でゆったりと歌う曲や、軽快なリズムで踊り出したくなるような曲などバラエティーに富み、耳の肥えた外国人にも魅力的な響きのようです。グリオが歴史や家訓を歌い継いできたという背景から、現在のポピュラー音楽の中でも、民族の言葉が用いられるその歌詞は、古代王国の王を称えたものや、「目上の者を敬わなくてはならない」とか、「強欲ではいかん」などといった、はなはだ“説教じみた”ものも多くあるのですが、それでも老若男女を問わずマリ人は皆、グリオ風の音楽を好み、またそれらの音楽はマリ人の生活には欠かせないものです。
近年では、日本国内でもマリ音楽のCDを見かけるようになりました。マリのポピュラー音楽の先駆者の一人であるサリフ・ケイタは、数回来日してコンサートを開いています。今日では多くのマリ人も道徳教育的な歌詞を聞くためではなく、「ミュージック」として楽しんでいますが、日本人ならなおさら気楽に楽しめる音楽ではないでしょうか?

 
 
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